クライエンテリズム(clientelism)とは、経済的・社会的地位が不平等な個人間(「親分」と「子分」)で、政治的支援のために財やサービスを交換することです。
日本語では恩顧主義(おんこしゅぎ)とも言います。
たとえば、選挙で親分が報酬を提供する代わりに、子分が親分に投票することです。票買収などと密接な関係があります。
クライエンテリズムは、古代ローマにおける貴族とその子分の間、封建時代における領主と農奴の間、あるいは多くの農村における大地主と農民の間など、さまざまな社会的文脈で生じてきた現象です。
このような関係は、近代国家の出現や19世紀末以降の民主化によっても消滅することはありませんでした。しかし、その過程で、これらの関係は2つの形で変容しました。
一方では、各体制の制度の中に組み込まれることによって、政治的な側面を持つようになったこと。他方で、クライエンテリズムは、こうした制度の効率性や民主主義的価値の尊重を阻害するものとして、ますます非難されるようになりました。
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