予言の自己成就(Self-fulfilling prophecy)は、人が間違った予測を信じて行動することで、結果的にその間違った予測が実現することです。
社会学者のロバート・K・マートンが提唱した理論です。
マートンは予言の自己成就の例として、次のようなものをあげています。
予言の自己成就の例
1.「銀行の取り付け騒ぎ」
ある銀行は資産に問題ありませんでしたが、支払い不能という間違った噂がたち、それを信じた人たちが預金の引き出しに殺到します。その結果、銀行は噂とおりに支払い不能になって倒産してしまいまいます。
2.「軍備拡張と戦争」
2つの国の間で将来戦争が必ず起きるという予測が信じられています。そのため、2国は相手の動きに不安をいだき、軍備拡張が進められ、結果的に予測通り戦争が起きてしまいます。
3.「黒人排斥」
黒人は南部からやってきたので労働組合に慣れておらずスト破りをすると白人は考え、黒人を労働組合からしめだします。
黒人は生活のために、ストライキで困っている雇用主の申し出にのってスト破りをして働きます。
4.「受験の不安」
受験に失敗すると思い込んでしまい、不安で勉強に身が入らず、結果的に本当に受験に失敗してしまいます。
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