社会問題は学者などの専門家が決めるのではなく、人々のクレイム申し立てによって成立する(構築される)という考え方です。
そのため、社会問題が構築されるまでのプロセスに注目します。
社会問題が構築されるまでの6つのプロセス
社会学者のジョエル・ベストは、社会問題が構築されるまでのプロセスを6つに分けています。
クレームの作成
このステップでは、クレイム、すなわち「特定の厄介な状況に対処する必要があるという主張」が作られ、それをほかの人々に納得させようとします。
メディア報道
クレイムを申し立てる人たちは、ラジオやテレビなどのメディアを使用して、共感する聴衆を集めます。
たとえば、公民権運動のキング牧師は、スピーチの才能を利用してメディアで報道するように働きかけ、公民権をどのように、なぜ変更すべきかについて幅広い同意を得ました。
世論の反応
個人やグループ、組織が主張に同意し、政策や法律の変更を要求し始めます。
政策立案
政府は新しい法律や制度を制定し、その結果、社会問題に対処するための新しい政策が生まれます。
社会問題への取り組み
新しい政策が導入されたあとは、問題に対処する取り組みが行われます。
政策の結果の検討
クレイム申し立てをする人々は、社会問題に対応するための政策と行動の結果を検討します。
多くの場合、検討の結果、主張が強化され、さらなる行動につながります。
たとえば、アメリカの公民権運動は、その後の女性の権利運動とベトナム戦争に対する抗議活動につながりました。
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