AGIL図式は、A (Adaptation、適応)、G (Goal attainment、目標達成)I (Integration、統合)、L (Latency、 潜在)の4つの要素から社会システムを説明しようとする考え方です。
1950年代にアメリカの社会学者タルコット・パーソンズが提唱しました。
パーソンズは、社会システムを維持するには、この4つの要素が必要だと考えました。
A (Adaptation、適応)
適応は、環境と相互作用する社会の能力です。これには、特に、資源を集め、社会的再分配のための商品を生産することが含まれます。
G (Goal attainment、目標達成)
目標達成は、将来の目標を設定し、それに従って意思決定を行う能力です。政治的な解決や社会的な目標もその一部です。
I (Integration、統合)
統合は、社会全体で価値観や規範が強く共有されており、社会がまとまっている状態です。このためには、宗教や共通言語が必要です。
L (Latency、 潜在)
潜在は、上記の統合的要素を維持することです。これは、家族や学校といった、古い世代と新しい世代の間で信念体系や価値観を媒介する制度のことです。
具体例
たとえば、狩猟採集民の部族は、動物を狩ったり、他の物資を集めたりして、外界から食料を集める必要があります。
そのためには、目標を設定し、よりよい狩場へ移動するタイミングなどを決定するシステムが必要です。
部族はまた、共同体がふさわしいと考える行動や決定を強制するために、共通の信念体系を持つ必要があります。
最後に、狩猟採集の技術や共通の信念体系を新しい世代に伝えるための、何らかの教育システムが必要です。これらの前提条件が満たされれば、部族はその存在を維持できます。
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