文化遅滞

アメリカの社会学者 W.F.オグバーンが著書『社会変動』 (1922) で用いた概念です。

彼はこの著作の中で、物質文化と非物質文化の間で発展の速度に差があることを「文化遅滞」という言葉で説明しました。

これは、物質文化が急速かつ大量に進化・変化するのに対して、非物質文化は変化に抵抗し、はるかに長い期間固定する傾向があるためで、社会的によく見られる現象です。

理想や価値は、物的なものよりはるかに変わりにくいということです。

典型例は、自動車です。技術革新によって自動車が誕生する一方、社会において自動車に合わせたインフラが構築されるには時間がかかりました。

また、オグバーンの論は、技術がその文化的価値や社会構造の発展を決定するという「技術的決定論」の考えを前提にしています。

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文型遅帯の例

ワクチン

新しいワクチンが利用可能になる一方、社会ではワクチンに抵抗を示し、受けようとしない人は少なくありません。

ヒト胚性幹細胞(ヒトES細胞)

幹細胞を神経細胞に変えるために必要な技術がすでに存在しますが、これに関する倫理的なガイドラインや文化的なコンセンサスがまだできていません。

 

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