ラベリング理論

「逸脱」は、逸脱行為をする人ではなく、周囲が逸脱とレッテル貼り(ラベリング)をすることによって生まれる、という理論です。

そして、一度レッテルが貼られると、レッテルの貼られた人はそのラベルのもとにアイデンティティと行動パターンを形成するようになります。

たとえば、校則に違反して髪を金髪に染めるという「逸脱行為」をする高校生がいます。通常の考え方では、彼が心に何か病理を抱えているので、このような逸脱行為をすると考えます。

しかし、ラベリング理論の考え方では、「髪を金髪に染めてはいけないという校則」があるから「逸脱」が生まれると考えます。

つまり、「~をしたら逸脱」というきまりを設けることで逸脱が生まれるのです。

ラベリング理論は、1960年代にシカゴ学派のハワード・ベッカーという社会学者が提唱しました。

ベッカーの『アウトサイダーズ―ラベリング理論とはなにか』という本は、ラベリング理論について書いた古典的名著です。

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